山行報告2001-INDEX


【2001年度・夏期合宿山行A隊】2001.10/28up

デスプレイに写るフライトの軌跡2001年度夏合宿A隊
第一次・マッターホルン山行報告


山行日誌 MH2001 Top Page
期日 内容
7/19(木)〜7/20(金) 出国〜ツェルマット入り
7/21(土)〜7/22(日) 登擧訓練とブライトホルン登頂
7/23(月)〜7/24(火) モンテローザ登頂
7/25(水)〜7/26(木) 休養とヘルンリ偵察
7/27(金)〜7/28(土) ヘリフライトと帰路
7/29(日) 帰国

電車の券売機(チューリッヒ空港駅にて) 総評へ戻る   モンテローザ登頂編へ進む

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07/19(木) [出国]
成田集合09:30、成田発12:00(JL401)→16:25ロンドンヒースロー18:35(BA720)→ 21:25チューリッヒ空港→22:00チューリッヒ中央駅→22:15ホテル(泊)

 出発2時間前のチェックインでは全員バラバラの席となる。長い時間、窮屈な席で誰とも話さないのはかなり苦痛であった。乗り換えのヒースロー空港では、2時間程の待ち時間の間、色々なお店があるフロアーを4人でウロウロ歩き回った。チューリッヒのクローテン空港には、日本を出てから14時間後に到着。空港に駐機してある飛行機の多くが赤地に白の十字マークがあり、"ああスイスに来たんだなぁ"と実感する。
 空港から電車に乗ってチューリッヒ中央駅へ。券売機に少しとまどったが、切符も買えた。途中にあった"ロリコーン"という駅で、車内アナウンスの"ロリコーン"という声に、大声で「ロリコンだってぇ〜」とカボが異常反応し声をたてて大笑い。車内のスイス人達に変な顔をされる。私は他人のふりをしたかったが、どう見ても同じグループだ。恥ずかしかった。 チューリッヒはすでに22時を過ぎていて、とても静まりかえっていたが、駅前の町並みや路面電車の軌道。張られているポスターやショーウインドウの飾り等々、まるでヨーロッパ映画のセットにいる様な気分だった。白土が予約をしてくれていたホテルは駅から一本道で直ぐに分かりチェックイン。こじんまりとしたなかなか清潔感のあるホテルであった。部屋のテレビの24チャンネル(成人向け→勿論ノーカット)にカボがまた反応……。だか日本時間ですでに午前7時。機内でもほとんど寝ていなか った全員バタンキューであった。
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チューリッヒ中央駅は上野駅に似た雰囲気07/20(金) [移動] 
チューリッヒ12:04(列車)→14:34ブリーグ15:23→ツェルマット16:43着〜ホテル

 朝はゆっくり起きて10時にチェックアウト。まず日本円をスイスフランに換金する為に銀行に行く。全ての銀行が日本円を扱っている訳ではなく、二件目で換金出来た。  換金には一律5スイスフランのお金がかかり、全員バラバラに換金していて、一緒にまとめれば一回で済んだことに後で気がつく。こうして身を持って気がつく事が多いのが海外旅行の面白さだ。  駅で交通機関の割引券であるスイスカードに記入してもらう。同時に列車の席の予約をしようとしたが、発車時間まで間もないので駄目だから直接乗れと言われる。ちなみに予定の列車の出発まではあと1時間ほどであった。駅のファーストフードのお店でちょっと遅い朝食。魚のサンドイッチを食べる。ここで初めてスイスフランを使用。
 吉野さんがキオスクでビールを購入する時にぞんざいに扱われたと怒る。なんかブリブリと怒りながらビールを渡したという。平日の昼間から酒を飲んでたら駄目なのかなぁ?と全員考える。列車は、とてもゆったりとした座席に座る。なんだ、予約などしなくてもガラガラだった。発車のベルなど無く突然動き出した。車窓から見える景色は、どこを見てもどこまで走っても"スイス!" 箱庭の様な子供の頃遊んだ"レゴ"の様な景色がつづき、飽きることが無かった。天気はあまり良くなく、途中では雨も降っていたが、乗り換え駅であるブリークでは晴れ間が出た。いよいよツェルマット入りだ。狭い谷間を小さめの列車がぬって走る。到着間近にマッターホルンの山頂部分が見える場所があり、列車が細かくカーブする毎に、4人して右の窓へ走ったり左の窓へ走ったり、歓声を上げたりしていたら、車内の人達に変な目で見られたが、となりの車両の酒臭いにおいをプンプンさせている日本人ツアーグループよりは増しだ。
 あこがれのツェルマット着。ツェルマットの駅は、予想していたよりも大きくて立派であった。規模的には箱根湯本駅という感じ。駅前で、ツアー客を出迎えに来ていた石部氏(アルパインツアーサービス)にバッタリ会う。彼には、現地情報を色々と送ってもらって世話になっている。彼の開口一番「マッターホルン駄目ですね」の一言に??となるが、ちょうど今朝雪が降って、ヘルンリ小屋までのルート上にも雪が積もり、ヒュッテまでのツアーも中止している状態だそうだ。  ツェルマットの第一印象は……、まず人が多い。しかもほとんどが日本人!
ツェルマット初日の晩は本場のチーズフォンデュー 日本人は、大勢固まって歩いているので遠くからでも直ぐに分かる。しかし完全な観光地で、メインストリートにはお土産屋さんが並び、特にビックリなのは、ローレックスやオメガ、ブライトニングなどのスイスメイド高級腕時計の店まで点々とあり、こんな山里で誰が買うんじゃ(日本人観光客じゃ!)という雰囲気。何もこんな山の中に来てまでローレックスを買わなくてもいいのにと、実は帰りのチューリッヒで時計屋さん巡りを考えていた私はちょっと焦った。しかもどの店も定価販売で、ビックリする程の安さでは無い。日本のデスカウントショップを見て回った方が特だ。
 今夜の宿、ホテル・ミシャベルを探すのに少し手間取ったが、メイン通りから外れて静かな宿で気に入った。私の部屋も、ベランダがある窓からはマッターホルンがバッチリ見えて、トイレ・バス共に各階共同というだけあって宿泊代も安く、とってもいい。チェックインを済ませ、空身となり町に出る。

 まず山の情報やガイドの手配などをするアルパインセンターに向かう。案の定というか、悪い予想通り、降雪のため現在ガイド登山は中止状態で、このままもう雪が降らない(新たな積雪が無い)として、解禁は8月2日と言う。マッターホルンの登山は、"インポッシブル"という言い方をしていた。とにかく、予定の登頂日まではまだ一週間近くあるので、しばらく様子を見ようという結論で、アルパインセンターを後にする。山道具屋などを物色してから、夕食は"デュポン"というレストランで、本場のチーズフォンデューとソーセージを食べる。変なオヤジがいて、お客に色々と世話をやき面白い。料理も美味しかった。もう少し夜更かししたがったが、旅の疲れもあるので、その晩は9時には寝てしまった。

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07/21(土) [リッフェルフォルン登頂・登擧訓練]
ツェルマット08:00(登山電車)→ゴルナーグラード09:00〜リュッヘルゼー11:00 〜リッフェルフォルン※登擧訓練(11:00〜13:00)〜リッフェルベルグ15:00(昼食) 〜16:30ツェルマット

リッフェルフォルン山頂へあと1ピッチ ぐっすり寝た。まだ薄明るい早朝、トイレに起きた時に窓の外を見ると、マッターホルンがいた。あこがれのマッターホルン。私が山登りを始めた頃に見た写真で、いつかはこの山を実際にこの目で見よう。出来るモノなら登ってやろう。と考えていた。その頃から数えて早20数年。今目の前にそのマッターホルンがいる。しかし何という姿だろう。あまりにも自己を誇示しすぎているという印象だ。"私きれいでしょ〜すごいでしょ〜"と張り裂けるほど胸はっている感じだ。まだ星が見える早朝の薄明かりの中で、「おいおい、そんなに張り切って疲れないかい?」と、彼女を見て思わず独り言を言ってしまった。思えば、来ようとすれば来られたツェルマット。しかし、まだ早い。まだ登れない。という気持ちで、結局20年も立ってしまった。あこがれの彼女に、まだ会えるような自分ではない。という気持ち。片思いのまま過ぎた20年。その彼女が今、手を伸ばせば届くような目の前にいる。
 朝食用のフランスパンのサンドイッチとオレンジジュースを買って駅に向かう。登山電車でゴルナーグラードまで登る。車窓の景色も圧巻だったが、圧巻という言葉の上にどんな言葉があるのか、息をのんだまま吐くのを忘れてしまう程の景色が目の前に現れた。雄大なゴルナー氷河の先、左から、スイス最高峰のモッテローザ、リスカム、カストール、ポリックス、ブライトホルン、そして少し離れてマッターホルン。四千メートルを超す峰々が連なる。振り向けば後ろにはミシャベル山群。360度、雪をかぶった山また山だ。日本人観光客グループの歓声を避けて、ゴルナーグラード駅の上にあるホテル、その又上にある小高いピークまで登る。いつまで見てても飽きない。
 山容がでかく立派なモンテローザを目の前にして、もしマッターホルンがこのままの状態で登れないのならば、モンテローザに転進してもいいかなぁという考えが、メンバーの誰ともなく浮かび話し合う。明日のブライトホルンに登って決める事にした。
 ゴルナーグラードから広いハイキング道をリュッヘルゼーまで下る。"ゼー"とは池の事で、このリュッヘル池では、絵はがきの様な逆さマッターホルンが見られる。この池の左にリッフェルフォルンという岩山がある。この岩山も唐突で、なぜこの場所にあるの?という感じで、ボコンと立ち上がっている。下品な言い方かもしれないが、マッターホルンを見て奮い立つ男根の様な印象だ。お前も俺の仲間だな。そのお仲間に今日は登る。

リッフェルフォルンの山頂付近 リッフェルフォルンは四方を岩場に囲まれた山だ。岩登りをしなくては山頂まで行けない。従ってありとあらゆるところにルートがある。池から岩山の山頂まで、高度差約180メートル。位置的にはゲレンデ的な山で、ガイドが、客に登擧能力があるか否か、まず連れてくるのがこの場所だそうだ。しかしもしこの山が日本にあったら、かなりの人気者になるだろう。
 我々は踏み跡に導かれて、一番簡単そうな東稜(仮称)へと取り付く。東稜は3つの約20メートルほどの壁を持ち、その2番目と3番目でザイルを出す。それぞれ4級程度のピッチグレードで岩も硬く快適な岩登りであったが、残置ハーケンがほとんど無く、他の現地クライマー達は皆、ナッツ類やフレンズを持っている。我々はというとその手のギアーを何も持っていない。従ってまずリードしたカンスケは最初の中間が取れず緊張した様だ。ちなみに下降用のピンはシッカリしたモノがあり、それをビレー点として使用できる。
 リッフェルフォルンの山頂は東西に細長くその西の延長線上にマッターホルンがある。観光客のまったく居ない。クライマー達だけの世界だ。先ほどのゴルナーグラードと、見える景色はほぼ同じだが、何か特をした様な気分になるから不思議だ。池の周りの観光客の1人が手を振っていたので、こちらも振り替えしたら、大勢居た人達全員が振り替えしてきた。とんがった岩場のてっぺんだから目立つのであろう。
リッフェルフォルンの山頂にてマッターホルンをバックに記念写真 初のスイスアルプスでの登擧を終了し満足。3回の懸垂下降と踏み跡のある大きな階段状のルートで池まで下る。池から約2〜30分の下りでリッフェルベルグ着。草原上の高原にマッターホルンを眺め、とてものんびりとした場所だ。今回、計画段階で色々とお世話になった山口氏(ヤマケイ)のおすすめ通り、ここのレストランで生ビールを飲む。向こうの席には、先ほどのリッフェルフォルンの岩場で会った地元のクライマー達がやはりビールを飲んでいる。これがスイスでの山登りって奴か……。一度やったら辞められないなぁと思った。
 夕食はミシャベルに予約をして、ホテルで食べる。スープから始まる地元料理のコースで、お肉も美味しかった。これで"20スイスフラン/1人"は安い。食事の後、昨日会った石部氏と待ち合わせをして、パブへ飲みに行く。生ビールと焦げ目の着いたピィッツアが美味しかった。さて、いよいよ明日からは雪山登りだ。

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ブライトホルン山頂07/22(日) [ブライトホルン登頂] ツェルマット08:00→クラインマッターホルン09:00…10:30ブライトホルン(4164m) 登頂…12:00東稜(仮称)のコル13:00…クラインマッターホルン14:00→ツェルマット

 宿から徒歩約10分。ここからゴンドラに乗り、次にロープウェイを二つ乗り継ぎ、クラインマッターホルンに着く。ここはいきなり標高3800メートル。吉野さんがロープウェイの中で高度記録を更新してしまったとぼやいていたが、ここから更にブライトホルンまでの標高差300メートル。歩けばドンドン更新だ。登山者が多い。日本人登山者も多く、ガイド付とガイドレスが半々程度であった。ほとんどの登山者が、ロープウェイを降りたクラインマッターホルン駅の出口からアンザイレンをしていたが、最初はスキー場の中を、ぐるりと大回りに回り、しばらく平坦な道がつづくので、我らはしばらくザイルを付けずに歩いた。30分ほど歩き、ブライトホルンへの急登が始まる場所でアンザイレン。いよいよ登り始める。ここからは左側の西側斜面を大きく回り込み高度を稼ぐ。踏み跡はバッチリあり、何の不安もなく3〜40分で山頂着。話には聞いていたが、あっけない4000メートル峰であった。しかし、山頂部分は想像していたよりも狭く。混雑もしていたので新調した会旗を広げて写真だけ撮り下る。山頂からは東側にナイフリッジが伸び、ほとんどの登山者は登りに使った西側の尾根を下っていったが、我々4名はこのナイフリッジを下る事にする。なかなかの高度感で、吉野さんはナイフリッジも初体験だと喜ぶ。右側(南側)斜面に落ちれば200メートルほどの滑落で済むが、左側(北側)に落ちると、ゴルナー氷河まで2000メートルは真っ逆様だなぁと言うことで、"落ちるなら右"と、身体に言い聞かせて下り出す。アンザイレンはしているものの、やはり動きは慎重になる。
 ナイフリッジが終了して、山頂東側の広いコルで昼食用の長い休憩を取る。この場所は地図上ではイタリアだ。朝買ってきたフランスパンに生野菜と生ハムのサンドイッチをほおばりながら、4000メートルの雪の山頂で、こうして新鮮なお昼が食べられるのがヨーロッパアルプスかぁとつくづく感じる。下りは急なあまり踏み跡のない斜面を一気に下り、先ほどアンザイレンした場所まで着く。めんどくさいのと、ザイルを分散している事から荷物も軽くなるので、ザイルは取らずにそのままクラインマッターホルンまで帰る。下りは1時間かからなかった。
 マッターホルンはまだまだ白く、2〜3日中に雪が溶ける事は無いだろうと判断。ここでマッターホルンに登ることは諦めて、モンテローザに転進する事に決定。帰りに日本語案内所へより、案内所の純子さんにモンテローザ小屋の予約を頼む。同時にヘルンリ小屋の予約をキャンセルする。初日から、毎日出かけて会っている山田純子さんには今回本当に色々とお世話になった。  夜は何の気なしに入った店でスパゲッティーを食べる。ここで、全てのお店が美味しい訳ではないと知る。短い滞在期間、もっと吟味して店を物色すれば良かったと後悔。 宿に帰って、留守宅のチャリさん宛のFAX文(計画変更について)を作成する。

以下、 モンテローザ登頂編へ つづく

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7/23(月)〜7/24(火) モンテローザ登頂 7/29(日) 帰国

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文責:川名@森羅001


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