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【2001年度・夏期合宿山行A隊】2001.10/28up
2001年度夏合宿A隊
第一次・マッターホルン山行報告 (2)
山行日誌
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期日 内容 7/19(木)〜7/20(金) 出国〜ツェルマット入り 7/21(土)〜7/22(日) 登擧訓練とブライトホルン登頂 7/23(月)〜7/24(火) モンテローザ登頂 7/25(水)〜7/26(木) 休養とヘルンリ偵察 7/27(金)〜7/28(土) ヘリフライトと帰路 7/29(日) 帰国
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7/23(月) [モンテローザヒュッテ入り]
ツェルマット11:00→12:00ロッテンボーデン駅〜(ゴルナー氷河) 〜15:00モンテローザヒュッテ(泊)
今日は2時間行程の山小屋入りだけなので、ゆっくり支度をして11時に出発する。まず公衆電話で、先ほど宿から出したFAXが間違いなくチャリさんに届いているか、確認。公衆電話は、直接クレジットカードを差し込むタイプで、最初要領が分からなくてとまどったが、何とか出来た。いつものパン屋さんでいつものサンドイッチを買って登山電車に乗る。しかしここで、私が雨具を忘れた事に気づき、出発直前の登山電車からあわてて飛び降りる。これで1時間ほど遅れる事になった。他のメンバーの皆さんゴメンナサイ。
ロッテンボーデン駅下車、2日前に岩登りをしたリッフェルフォルンを右手に見て、緩い下りを歩き、ゴルナー氷河に下り着く。最初歩きだした氷河は、遠くから見ればただのガレ場だが、歩いてみると氷の上だった。とても涼しい。そして氷河の中心を横切る。平坦な、かなりシッカリとした氷河で、氷も厚そうだ。所々にある赤旗に導かれて、クレパスを巧みに避けたルートを通る。やがて対岸の岩場に取り付き、太いロープが張られた岩場の急登を登り切ると、いかにもヨーロッパの山小屋という雰囲気のモンテローザヒュッテに到着。まずビールと思ったが、入口が開いていなく、小屋の周りをウロウロしてやっとジョッキーを確保。冷えたビールを飲む。考えてみれば、毎日毎日ビール漬けだ。
最初とまどったが、小屋には冬用の出入り口から入り、登山靴は入口で脱ぎ、かなりシッカリとしたゴム製のスリッパに履き替える。ザックもその場所へ置き、貴重品のみスーパーのかごに入れて持ち込む。やはりマッターホルンが駄目でモンテローザに登りに来たという日本人4名グループと話したり、ビールが終わってワインを飲んだり、小屋の女の子と遊んだりして夕食までの時間を過ごした。小屋に入ってしまうと、雰囲気は北アルプス辺りの稜線にある小屋とほとんど変わらない。お互い登山者同士という事もあり、お客同士も和気藹々という感じだ。夕食は、スープから始まり、サラダ、肉料理(シチュー?)、最後にアイスクリームのデザートまで付くモノで、日本の山小屋よりは本格的な料理であった。但しちょっと味付けがしょっぱく、ビールを飲ませようとする陰謀だと誰かが言う。寝床は蚕棚。やはり日本の山小屋と変わりない。ただしゆったりとしていて、隣の臭い靴下を履いた足を枕にする必要も無い。ここで西洋人は、寝るときにはズボンを脱ぎ、パンツ一丁になる事を発見。周りの登山者達が、皆ズボンを脱ぎだし、そこいら中にブリーフ姿の大男達がいる姿はあまり直視していられない。ちなみに女性登山者は近くに居なかったので未確認。……??
朝は2時朝食としたので、まだ明るい20時頃には寝る。蒸し暑く、あまり熟睡出来なかった。
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07/24(火) [モンテローザ登頂]
モンテローザヒュッテ03:00…西稜のコル09:00…西稜ハイピーク09:45(同ルート下 降)…10:30西稜のコル11:00…モンテローザヒュッテ15:00〜(ゴルナー氷河) 〜17:45ロッテンボーデン駅18:37→ツェルマット
蒸し暑くほとんど眠れなかったが2時起床。朝食はバイキング方式で、フランスパンに3種類のコーンフレーク、牛乳・オレンジジュース・コーヒー・紅茶の飲み物に、チーズ、ハム等々、結構豊富な食材で楽しめた。どうやら天候は晴れだ。
2時半にトイレを済ませ3時前に出発。すでに前方にはかなり多くのライトが光る。まるでルートが分からないが。踏み跡と所々に積まれたケルン。前方のライトなどを確認しながら、最初はガレ場を登り、やがて雪上となり、雪の急斜面を登り終えた頃に夜が明け始める。緩い雪の斜面となった。マッターホルンが遠く三角型に見える。歩き始めて2時間後、大きく口が開いたクレパス帯に着く。ここでザイルを出してアンザイレン。トレーニングの成果を出す時だ。顕著なクレパス帯を過ぎてまだ傾斜が増してくる。近くのピークで山頂部分は見えない。やがてルートは大きくS字にカーブして、再度広い斜面にでた。すでに夜は明けて来ていて、マッターホルンやその他の高い山々の山頂部分にオレンジ色が光り出す。モルゲンロードだ。前方にモンテローザのピークも見え出す。直ぐそこに見えるが自分の高度計は4000メートルにも達していなく、まだまだ遠い。完全に夜が明けた頃、尾根の向こう側からガスがわき出す。なんてこった。せっかくの登頂日にもうガスが出だした。不安になりながらも登りがつづく。苦しい。とても苦しい登りだ。でも辞める訳にはいかない。ここまで来るために、沢山のトレーニングをした。マッターホルンではないけれど、ここは確かにスイスアルプス。しかも我々は今、マッターホルンよりも高い場所に行こうとしているんだ。私につながれたザイルは前を歩くカンスケにつながっている。余裕を見て垂らしていたはずのザイルがいつの間にかピンと張り、思わずカンスケに引っ張られる。顔を見合わして苦笑する。どうも苦手だ。ダラダラと長い、永遠に続くような登り。聞こえるのはザクザクいうアイゼンが雪を踏む音、そして登擧具がカチャカチャとなる音。その中に自分の吐く息が異常に大きく響く。ハァ〜ハァ〜。また立ち止まってしまう。が、ザイルがピンと張る前に思いっきり力入れて歩き出す。ピンと張ったら、またカンスケが振り返って俺のこと見て笑うゾ。そうはさせるか。そう思って歩調を早め、ザイルが雪面を引きずり、やがてたるむのを確認してホッとする。ホッとして気がゆるんだら、カンスケがこっちを見て笑ってる。クソ。いつの間にかピンと張ってるザイル。ザイルで結ばれるっていうのはどうも良くない。お互いの気持ちが筒抜けになっちまう。ザイルにかかる感触一つで自分の気持ちを知られてしまう。
あいつは前を見て歩いているのに、後ろにいる俺が苦しい顔をしているのが手に取る様に分かるんだろ。にやにやしやがって。憎たらしい。俺だって負けるか。お前より多少、ほんの少し年取ってるから、ほんの少し遅いだけだ。くそ。俺だってちゃんと歩いているぞ。そんなことを考えていて、ふっと気がつくといつの間にか突っ立っていた。ザイルはピンとはり、カンスケがこちらを見て何か言ってる。「大丈夫ぅ〜?歩けるぅ…?」あぁ、ついに負けちまった。「よ〜し、少し休憩しようか」と胸をはって何事も無かったかの様に指示をする。その瞬間、この身体そのものを含む重い荷物から解放される。行動食を食べようとするのだが口が思うように開かない。口がかじかんでいるんだ。腰にぶら下げたままのビデオカメラが凍り付いていた。カンスケに蜂蜜入りのゼリー飲料をもらう。うまい。 小屋で一緒だった4名組日本人のうち、男性1人がガイドと共に降りてきた。天気が悪いのでリタイアだといってすれ違う。下りなのにきつそうな顔していた。気がつくと周りはガスで巻かれていて、ホアイトアウト状態だった。トレースがガスの中に消えていく。風はほとんど無く静かだ。もう一歩。とにかく、さっき見えていたコルまで登ってみよう。前を見ると吉野さんが快調に登っている。カボの方がきつそうな動きだ。なんて奴だ。40代のくせに。負けてられるか。よし行くぞ。 何度かジグザグに登り、一歩一歩高度を稼ぎ、西稜のコル着。不思議なことに到着とほぼ同時にガスが取れて、自分たちが登ってきたトレースが遙か後方まで伸びているのがハッキリ分かった。遙か遙か下にはゴルナー氷河の緩いカーブが見え、更に更に後方にマッターホルンが見えた。浮気しちゃったよ。あんたに登らずにこっちに来ちゃった。でも本気でふった訳じゃないよ。単なる浮気。だから今度はあんたの番だから、まあちょっと待っててよ。その時、今までモンテローザの大きな山塊に隠されていた太陽が、モンテローザの最高峰、デュフールシュピッツェのピークの尖りの正しく山頂部分から、まったくあきれる位に見事な太陽が現れる。とがったピークにまるで乗っかっている様に輝いているのだ。まったく無宗教の私が、滅多にないが神妙にならざるをえない瞬間だ。神様が本当にいる様な気分になる。
西稜のコルから、いよいよ急峻な登りだ。取り付くと、思っていた以上に悪いコンディションだという事が分かる。ガリガリの堅い氷の上に、フカフカの新雪がまだらに乗っている。斜面は50度程度だが、シッカリ磨いてとがらせていない私のアイゼンでは、何度かに一度は刃先が中を舞う。こういう事か……。マッターホルンは確かに雪がついている。だが、アイゼンは持っているし元々上部に行けば雪の上だし、多少雪が積もったって登れなくなる訳がない。ガイド連中は不可能だなんて言ってたけど、行けば登れるんじゃないか、行くだけ行ってみるかと、何度ホテルのベットの中で考えたかしれない。しかしこのモンテローザの4400メートル地点に来てやっと分かったよ。生半可なアイゼン技術では登れないヨーロッパアルプスの雪と言うより氷が、手ぐすね引いて待ってるんだ。そう思ったとたんに、氷の斜面の上で一瞬恐怖が走った。ガリガリとまたアイゼンの歯が中を舞う。その度にピッケルを持つ手が強く引き締まる。お互いに、ここで落ちたら止められないだろうなぁ。吉野さんやカボが落ちても、ただ見ているしか無いなぁ。そんな事を考えているうちに、傾斜が緩くなり、やがて緩い傾斜のナイフリッジになる。かなりの高度感があるはずだが、周りはガスで何も見えない。カンスケを見ると、髪の毛が真っ白だ。
強い横風が吹き始めた。何もかもが凍り始めている。オーバー手袋をしていない私の手も感覚が無くなってきた。手をパンパンはたいて、上着の中に突っ込んで感覚を取り戻させる。気がつくと足の感覚も無い。なんてこった。まるで厳冬期に登っている様だ。我らの感覚から言えば、これはまったくの完全な冬山だ。やっぱり俺はスイスアルプスをなめていたんだ。それとも浮気したんで彼女が怒ってるのかなぁ……。
ナイフリッジが終わり、岩の尾根が出てきてピークとなった時、3人に声をかけて、この場所を最終到達地点として戻る事を告げる。このピークはモンテローザ山頂群の一つ、正式名称:西稜ハイピーク・標高4499メートルという事が後で地図を見て分かったが、この時点ではもうどこでも良かった。とにかく我らはモンテローザに登ったんだ。そして速やかに下山しなくてはならない。
横風が吹く中、二人ずつ会旗を握り写真を撮る。会旗をしまい、下山の用意をしていると、更に上に登っていたガイド達が、お客さん達を連れて次々に現れた。天候が悪化しているので、山頂(モンテローザ山群最高峰・デュフールシュピッツェ)まで行けなかったが下山すると言う。お前達はどうするんだ。上へ行くのか下るのかとゼスチャーをするので、「ダウン!ダウン!」と下を指さすと、それが正解だという顔をして、しきりにうなずいて降りていった。上から見ていると、手慣れた動作でお客を先に歩かせて、先ほどの氷の急斜面になると背中からピッケルを出してお客に持たせ、自分は肩がらみの確保体勢をとり、さあ行けという動作をする。あんな連中と一緒に登ったらさぞかし安心だろう。我らはパートナーのピッケルを持っててあげることも出来ないし、ガイドにザイルを持ってもらう事も出来ない。全て自分たちの責任で登り、自分たちの命は自分たちで守らなくてはならない。それが山の醍醐味でもある訳だが、ドンドンと先に降りていくガイド組を見ながら、なぜか取り残されていく様な気分になった。さぁ、我らも下山だ。
登りは吉野・清水組を前に歩かせたが、下りは我々が先に降りる事にする。各動作を上から見させる為だ。ナイフリッジ部分はアンザイレンで下る。下は何も見えないので恐怖感も無い。氷の急斜面はまず私がルートを選びながら下り、ザイル一杯まで伸ばしてからカンスケの下りを肩がらみで確保。ピッケルはピック部分を思いっきり打ち込んだ。急な部分は1ピッチのみで、その下は緩くなり、西稜のコル着。ここまで下れば後はフカフカの緩い雪斜面だ。後ろを降りてくる清水・吉野組を見ながら休憩。 何とここから下はガスが無く、どうやら厳冬期状態は山頂部分のみの様だ。
行動食を食べ、下山開始。カンスケがお花摘みをすると言うので、後発の西洋人ペアを待って最後にコルを降りる。
下りはまた太陽に照らされて、カンカン照りのGW涸沢への下りのようだ。しかし相変わらず山頂部分はガスで見えない。下る程に疲れがドッと出て来て、段々とペースが遅れる。クレパス帯を過ぎてザイルをしまい、大休憩を取る。前方に見えるマッターホルンも、中段から上の部分が雲で覆われている。どうやらどの山を見ても、4千メートル付近から上が雲で覆われている様だ。途中、カンスケが立派なハードケースに入ったアイゼンを拾う。そのアイゼンを届けるためにモッテローザヒュッテに立ち寄る。今夜はここで泊まったらどんなに楽園だろう。我らはまだツェルマットまで下らなくてはならない。もうすでに疲労は頂点に達していたが、とにかく歩かなくては下り着けない。ロープの着いた岩場を下り、永遠の様につづく氷河帯を越えて、最後にはロッテンボーデン駅があるリッフェルフォルンの麓まで登り返さなくてはならない。この最後の登り返しが最悪で、数十メートル歩いては立ち止まる状態で、ほとんど最後の力を振り絞ったのは何時だったか忘れた状態でロッテンボーデン駅にたどり着く。もう全員言葉もなく座り込んだ。標高差2000メートル、行動時間15時間。超ハードな山登りがこうして終わった。 登山電車でツェルマットへ帰り着き。今夜こそはご飯が食べたいとの意見の一致から、村で唯一の中華料理屋に行く。疲れていて、宿に帰ったらもう絶対に外に出られなくなるとの考えから、降り着いたそのままの姿で、ザックなどを担いだまま店に入る。楽しみにしていた中華料理だが、まずご飯モノとしてチャーハン、私の好物である酢豚、春巻き、エビ玉、そして卵とじスープを注文する。しかしこの中華が最悪で、チャーハンはボソボソの長米。これ酢豚?という、今どきの冷凍食品の方が遙かにうまいという代物で、この店は中華料理というモノの認識を誤っているという意見で全員一致した。予約が一杯とかで店の中には入られず、外の席で食べたが、後から後から来るお客達は団体の日本人ばかりで、わざわざ日本から来てあんな中華を食べさせられて可哀想にと、ここに来て始めて団体さんが哀れに感じた。とにかく最悪に疲れて、まだまだお代わりするつもりで最初の注文をしたのだが、追加注文する気持ちがまったく起こらず、結果店を出てマクドナルドでビックマックセットを買って帰った。部屋で食べたマクドナルドの美味しかった事……。マクドナルド万歳。
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07/25(水) [休養日・各自行動]
1.ヴァリス山群展望(川名、菅野)
2.エーデルワイス探索(清水、吉野)
昨日の疲れもあり、本日は休養日とし、各自自由行動とした。 しかし、まったく寝ていた人間は1人もなく、川名・菅野組は、トロッケナーシュテックから片道30分の登りで着くガンテックヒュッテまで行く。この山小屋は、交通手段であるロープウェイの駅から比較的近くにあるにもかかわらず、ブライトホルンの真下という位置関係から、ヴァリス山群の山々を身近に見上げられて抜群の展望がある。二人ともゆっくりと歩き、歩いているよりも岩の上に座ってボヘ〜っとしている時間と、山小屋のテラスでビールを飲んでいる時間の方が数倍多いという一日になった。こんなのんびりハイキングが似合うのもヨーロッパアルプスだ。吉野・清水組は、スネガーからグリュンゼー方面に歩き、エーデルワイスを見るコースへ行った。
夜は7時に予約をして2度目のミシャベルでの夕食となる。今回は骨付き肉で、ナイフとフォーク使いで皆苦労した。
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07/26(木) [ヘルンリ稜偵察] ツェルマット08:00→フーリ→シュヴァルツゼー09:30〜11:30ヘルンリ小屋12:30 〜シュヴァルツゼー14:00→フーリ→ツェルマット
本日はポリックス峰の予定であったが、体力的にきついことと、一様ヘルンリ稜の偵察も必要とのことで、ヘルンリヒュッテまで行く事にする。いよいよ最後の行動日だ。 少し古めのロープウェイを降りるとシュヴァルツゼーに着く。一段と間近にマッターホルンが見える。最初の丘まで登り、のんびりと朝買ってきたサンドイッチを頬張り遅い朝食とする。山で食べるサンドイッチは美味しい。特に毎回買うこの店のサンドはもう我らの間では定番となった。食事を終えて登り始め、羊たちが遊んでいる峠を越えると、険しい岩場の登りとなる。 道など作れそうもない岩場に、ハシゴと廊下をかけ、誰でも登れるコースになっている。よくよく見るとなかなか細い岩尾根で、ほぼ平坦な尾根がマッターホルンの付け根までつづいている。最後の急なガレ場をジグザグ登りするとヘルンリヒュッテ着。もうマッターホルンは目の前と言うよりもその山塊の中にいる。見上げるとクライマーがそこいら中にいる。確認しただけで9パーティであった。未だに、ガイド登山は中止されているが、ガイドレスでの登山者は登り始めているのだ。 雪もだいぶ消えており、これならば我らにも登れそうな気がする。ふと欲が出たが、もうすでに日数が無い。明日にはチューリッヒへ移動しなくてはならないので、登るのは不可能である。しかしこうして目の前にするとやはり未練がつのる。無理すれば登れたのではないか……という考えが後から後から沸いてくるが、もうどうしようもない。また絶対に来よう。みんなで誓い合う。 いつまで未練がましい事を言っても仕方がない。別れると言われたのにしつこくつきまとう男の様でみっともない。少なくともまた今度トライできるのだから、今度こそシッカリとプロポーズしよう。ヘルンリヒュッテを後にする。
下りは未練がましく振り返ることもなく、一目散にただただ下る。シュヴァルツゼーのレストランで、ロープウェイに乗る前にマッターホルンを見ながら最後の乾杯。しかし、まったくお前は惚れ惚れする様な姿だよ。何人の男女達をだまして来たのか、そして何人の男女を受け入れて来たのか……。こうして見ているとなぜか恐ろしくなってくるから不思議だよ。 今夜のツェルマットはカーニバル。なぜか分からないけどお祭りだった。通りにテーブルと夜店が並び今までになくにぎやかで、通りは陽気な連中であふれる。なぜか不思議なのは、こんな場面になると日本人観光客グループがいなくなる事だ。いったいどこに行ってしまったの??
我々は、純子さんに教えてもらったおすすめイタメシ屋で夕食を取る。一つ一つの具がトッピング出来るピッツァは最高のできだったし、スパゲッティもうまい。やっぱり店を選ばなくては駄目だ。最後のデザートを選ぶ場面になり、メニューの中から分からないものの3人はそこそこ美味しいデザートを選んだが、カボがメニューを見て、「このビンボーって何? 僕に合ってるかも〜」と一番安いデザートを選び、ウエイトレスのお姉さんが持ってきたのは"ピングー人形"の頭の部分にアイスクリームが入っているデザートだった。みんなで大笑い。ビンボーではなくてピングーだったんだ〜。って何じゃそれ。これってお小ちゃまが選ぶデザートだろ。どおりでウエイトレスのお姉さんがニヤニヤしながら持ってきた訳だよ。
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以下、ヘリフライトと帰国編へ つづく
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文責:川名@森羅001
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